Wealth of Ocean Nation

Introduction

2050年への針路は、海にある。

ムーンショット・ミレニア・プログラムの1つである『地域海洋資源が⽀える社会経済の多極化による新海洋国家=日本実現が導く、飢餓と貧困なき全球への始動』(略称WeON=Wealth of Ocean Nation)は、日本の多彩な風土がもたらす多様な海洋資源を起点に、自律的な各地域の経済圏と、それらのつながりから生まれる「新海洋国家・日本」の形成をめざすプロジェクトです。まず、2050年の理想の社会像を描き、2030年までに達成すべき技術課題や社会課題を、さまざまな人々との協働によって明らかにしていきます。

WeONには、世代や専門性の異なる多彩な個性(We)が集い、新海洋国家という“月(ムーン)”を目指して航海をする(ON)、そんな想いが込められています。各自が描く新海洋国家像の重なりがプロジェクトを導く光となり、私たちの船は進みます。さまざまな世代・分野の方々の思いや知見を集結させることで、希望に満ちた2050年の社会像を描き、実現の路を見つけていきます。プロジェクトへのご意見、ご感想、ご支援、お問い合わせはお気軽にご連絡ください。

ムーンショット型研究開発制度とは
超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進するものです。

Activity

About

多様な海洋資源を起点に、新海洋国家・日本を描きます。

潮風が運ぶ磯の香り。黄昏時に静かにきらめく水面。島国日本に生きる私たちにとって、海は、とても身近でかけがえのない存在です。食べ物やエネルギー、私たちは、たくさんのものを海からいただいて生きています。そんな深淵なる海に住まう海洋生物は、毎年増えた分のみを漁獲する限り、持続的に利用可能な資源の一つです。しかし、未だに私たち人類は、海のどこにどれだけの魚が生息しているのか、正確に把握することができません。再生可能なエネルギー源としてのポテンシャルを秘めた波や汐の満ち引きでさえ、制御し利用するためのハードルは非常に高いと言われています。一方、将来に目を向けると、2050年の日本ではますます少子高齢化が進み、総人口は一億を切ると予測されています。これらの状況を俯瞰したとき、日本がこれまで以上に住みよい国となるためには、どのような取り組みが必要になるでしょうか。

WeONではこれまで、海の豊かな恵みと大きな不確実性を前提としながら、海洋生物の生産・利用の持続可能性を模索してきました。そして現在、日本の多彩な風土がもたらす多様な海洋資源を起点に、2050年の理想の「食・エネルギー・経済」のあり方を考えはじめています。具体的には、以下の1〜3の実現可能性を、科学技術の裏付けとともに探ることで、2050年の新海洋国家・日本を描こうとしています。

  1. 経済や人口が、都会への一極集中から地方へと分散し多極化する。
  2. 農業・林業を中核とする内陸地域の経済圏が、海洋に基づく沿岸地域の経済圏をつなぐハブとして機能する。
  3. 各地域の経済圏がそれぞれ「食・エネルギー・経済」的に自立し、その集合体として新海洋国家・日本が形づくられる。

また、その達成のために2030年までに克服すべき技術課題や社会課題を明らかにし、日本が豊かであり続けるための道標を立てたいと考えています。私たちが2050年の先に目指すのは、日本がモデルとなり、海洋資源を活用した飢餓と貧困のない社会を全世界で実現することです。それは、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」の達成のため、今まさに国際社会が合意し、目指している世界の先にある未来です。

東日本大震災から10年。コロナ禍もまだまだ収束の兆しが見えません。しかし、幾多の困難を乗り越え、さまざまな場所から一つの月を見上げるように海洋から日本や世界の未来に続く路を模索することこそ、私たちの宿命だと感じています。新海洋国家モデルが、人々の共感を呼び、明日への羅針盤となり、飢餓と貧困のない世界を実現すると信じて。

Member

  • チームリーダー石村 学志Gakushi Ishimura

    岩手大学農学部資源経済・政策と数理資源研究室、准教授。北海道大学水産学部卒業。ワシントン大学大学院、ノルウエー経済高等学院を経て2010年にブリティッシュコロンビア大学大学院、にて国際共有資源の経済研究でPh.D.を取得。大学院から資源管理研究に従事して以来、資源経済と資源政策を専門とする実践者として実学としての探究。2015年に岩手大学に着任し、数理分析による海洋生物資源利用状況の社会経済的把握および持続的な資源利用システムの構築を、国内外の多様な関係者と関わりながら実践する。

  • サブリーダー市野川 桃子Momoko Ichinokawa

    国立研究開発法人水産研究・開発機構水産資源研究所にて、水産生物の資源量の推定のための統計・数理モデリング手法の開発を担当するグループ(資源解析グループ)のグループ長。東京都出身。東京大学総合文化研究科広域科学科博士課程修了(Ph. D)。学生時代、小笠原でのウミガメ調査ボランティアをきっかけに海や海の生物の研究を志す。一般向けの解説書「乱獲: 漁業資源の今とこれから(レイ・ヒルボーン、ウルライク・ヒルボーン)」を翻訳出版。

  • 秋田 鉄也Tetsuya Akita

    国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所、研究員。東京都出身。東京農工大学農学部卒業・大学院農学府農業環境工学修士課程修了、横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程修了。総合研究大学院大学でポスドク。2015年から現職。専門は集団遺伝学。ゲノム情報を用いた生態系のモニタリング技術開発を進め、淡水魚・海水魚の個体数を推定する理論を構築中。

  • 阿部 景太Keita Abe

    ノルウェー経済高等学院(NHH)ポストドクトラルフェロー。関西学院大学総合政策学部、ブリティッシュコロンビア大学経済学修士課程修了。ワシントン大学経済学博士課程修(Ph.D.)。専門は資源経済学、環境経済学、応用計量経済学。経済学の理論・実証手法を応用して、日本の三陸漁業やアメリカのアラスカすけとうだら漁業などの漁業者行動、国際貿易と水産資源の関係、ノルウェー水産業における個別割当管理の社会的影響などの経済分析を研究している。2017年北米水産経済学会最優秀学生論文賞受賞。

  • 安藤 北斗Hokuto Ando

    デザインスタジオwe+、クリエイティブディレクター・デザイナー。山形県出身。武蔵野美術大学を経てセントラル・セント・マーチンズ大学(ロンドン)卒業。視点と価値の掘り起こしに興味を持ち、プロジェクトにおけデザインリサーチや仮説設定、コンセプト開発および全体設計など、複合領域的に手がける。2013年we+ inc.共同設立。国内外のデザイン賞を多数受賞。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科非常勤講師(2017年〜)。他複数の教育機関で講師を務める。iF Design Award(ハノーバー)、D&AD Awards(ロンドン)審査員。

  • 岩崎 健太Kenta Iwasaki

    株式会社HYPERIA執行役員技術統括。香港科技大学在学中にNAVER CorporationのAI研究責任者に従事。2018年に技術統括として立ち上げたスタートアップPerlinでは、60億円の資金調達を達成し、国際商業会議所(ICC)やDBS銀行などに自身の開発したブロックチェーン技術を提供。2020年には日本人初となるThiel Fellowshipを受賞。

  • 大島 肇Hajime Oshima

    株式会社アール・ピー・アイ、執行役員。神奈川県出身。法政大学大学院経済学研究科博士後期課程経済学専攻満期退学(経済学修士)。大学在学中より漁村や水産業を対象とした調査・計画に従事。株式会社漁村計画研究所、財団法人漁港漁場漁村技術研究所を経て現職。技術士(水産土木)。一貫して、地域経済の分析、産業振興とりわけ水産業や漁村振興に主に取り組む。日本沿岸域学会「海洋基本法対応検討委員会」委員(2007)、水産庁復興水産アドバイザー(2012~)等歴任。

  • 五味 希Nozomi Gomi

    株式会社アール・ピー・アイ、プランナー。東京都出身。東京工業大学大学院社会工学専攻修了(工学修士)。鉄道会社にてホテル事業・地域活性化事業に携わり、もっと地域を元気にしたい!という思いから、2020年、アール・ピー・アイに入社。入社後は漁港のグランドデザイン策定、漁業用施設整備検討業務、山村活性化事業等を担当。

  • 酒折 幸弘Yukihiro Sakaori

    株式会社HYPERIA、代表取締役会長。横浜生まれ、カリフォルニア育ち。慶應義塾大学商学部卒業後、外資系資源商社にて、国際エネルギー貿易ビジネスに15年従事。2016年には仏政府系電力会社にてデジタルイノベーションプロジェクトに参画し、環境及びエネルギービジネスへのブロックチェーン技術の応用を研究。

  • 関口 愛理Eri Sekiguchi

    デザインスタジオwe+、デザイナー・エンジニア。神奈川県出身。2015年慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションにてMA Graphic Media Designを修了。デザインリサーチからコンセプト構築、プロトタイプ・システム設計など幅広い業務を担う。マテリアルの自然美と人工的なテクノロジーを融合させることで生まれる新しい表現を追究している。2017年よりwe+に参加。

  • 武村 理雪Rickie Takemura

    フリーランサー、岩手大学客員教員。愛知県出身、三重県&静岡県育ち。ボンド大学経営学修士。当プロジェクトではオペレーションを担当。非営利プロジェクトの運営支援を天職とする。きっかけは高校時代に見た重油まみれの海鳥の写真。環境教育ボランティアを皮切りに、15年以上にわたり、日本国内の環境系、国際系、福祉系の非営利組織を事務や会計面でアシスト。

  • 徳永 佳奈恵Kanae Tokunaga

    Gulf of Maine Research Institute, Associate Research Scientist in Coastal & Marine Economics。鳥取県出身、米国メーン州在住。資源経済学、生態経済学、制度経済学が専門。資源経済モデルや応用計量経済学の手法を生かしながら、自然科学や社会科学分野の研究者に実務者も交えた学際的なアプローチをとることで、経済学の枠を超えた研究に従事。現在は、漁業資源等の共有資源管理のロジック・メカニズム、自然生態系の価値に対する心理的・社会的要因の反映、海洋気候変動がもたらす資源管理や自然生態系と人間との関係性の変化に興味を持つ。

  • 馬場 真哉Shinya Baba

    Logics of Blue代表。2020年11月~2021年3月において東京医科歯科大学非常勤講師、2021年2月より岩手大学客員准教授を兼任。2014年北海道大学大学院水産科学院を修了。システムエンジニアとして就職した後、2017年に独立。専門は統計学とオペレーションズ・リサーチ。データ分析においては、特に時系列データの分析に関する技術を有する。データを分析するだけでなく、その結果を意思決定に活用するプロセス全体が興味の対象。データ分析や意思決定の手続きに関する啓蒙・普及活動にも力を入れており、当該分野の単著を6冊執筆。

  • 林 登志也Toshiya Hayashi

    デザインスタジオwe+ 、クリエイティブディレクター・デザイナー・コピーライター。富山県出身。一橋大学卒業。学生時代より舞台演出に携わり、広告会社等を経て2013年we+を共同設立。ブランディングやコミュニケーション戦略、デザインリサーチ、各種デザインからインスタレーション等の領域横断型のアプローチまで、幅広い分野に精通し各種プロジェクトを手がける。国内外の広告賞、デザイン賞等受賞多数。法政大学デザイン工学部兼任講師(2019年〜)。その他教育機関での講師、セミナー等での講演も行う。

  • 森本 詢Jun Morimoto

    株式会社HYPERIA 取締役社長。1990年東京生まれ。京都大学農学部卒業後、コンサルティング会社にて日本企業へのコンサルティング業務に従事。インキュベーション事業の立ち上げに従事したのちITエンジニアコミュニティの立ち上げを主導。ブロックチェーンに興味を持って1年間独学でコーディングを習得。電力会社でブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステムおよび独自ブロックチェーンの開発を担当。

  • 安井 翔太Shota Yasui

    株式会社サイバーエージェント、AI Lab Economic Research Scientist。2011年立教大学経済学部卒業。同年ノルウェー経済高等学院(NHH)修士課程に入学し、養殖サーモンの価格の周期性について研究。2013年に卒業後サイバーエージェントに入社。機械学習の応用および機械学習の事業に対する効果検証に従事。2016年に研究開発組織AI Labを立ち上げ、経済学チームのリーダーに就任。現在は人工知能と経済学の交差点に関する研究を行い、AAAI, ICML, NeurIPS, WWW, SIGIRなどの多数のトップ学会に向け査読付き学術論文を出版。その他、書籍として因果推論と計量経済学の入門書である「効果検証入門」を執筆。

  • 横川 太一Taichi Yokokawa

    国立研究開発法人海洋研究開発機構、研究員。北海道出身。北海道大学水産学部卒業・大学院水産科学研究科修士課程修了、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学生態学研究センター、Royal Netherlands Institute for Sea Research(NIOZ)でポスドク。2015年から現職。専門は微生物生態学。外洋生態系・海溝生態系を対象に研究に従事。2010年から愛媛大学沿岸環境科学研究センターで助教のちに講師。国内外研究機関所属研究船での観測経験多数。

  • ロマン ラファエルRaphael Roman

    岩手大学農学部・政策と数理資源研究室在籍。天然資源経済学者。スイス出身。モントリオール大学にて経済学学士号、ブリティッシュコロンビア大学にて公共政策およびグローバル問題の修士号を取得。専門は持続可能な漁業システム、海洋生物多様性保全、生態系評価、海洋ガバナンス。岩手大学では、日本の多魚種漁獲漁業におけるレジリアンスを構築するための革新的な経済的ツールと政策戦略の開発・設計に従事。研究では、2011年の東日本大震災とそれに続く津波の被害を受けた三陸海岸に焦点を当て、海洋資源の保全・修復および持続可能な開発を導きながら災害リスク管理の強化を目指す。

Students

  • 小川 柚葉Yuzuha Ogawa

    岩手大学大学院総合科学研究科修士課程・地域創生専攻地域産業コース水産業革新プログラム在籍。埼玉県出身。岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース卒業。現在の研究テーマは宮城県気仙沼近海延縄漁業における操業最適化の探求」。航海中の行動選択の観点から取り組む。漁業経済学・機械学習等を勉強中。好きな場所は葛西臨海水族園。

  • 金澤 海斗Kaitoh Kanazawa

    岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース3年。岩手県出身。実家が漁業を営んでおり、小さい頃から海・魚に触れて育つ。父親は宮古市の沖合底曳網漁の船頭。水産経済・経営・プログラミング言語(R・python)・統計・機械学習を勉強中。卒業論文のテーマは「多魚種漁獲漁業の安定経営に向けた要素探求:岩手県宮古市底曳網漁におけるポートフォリオ漁業理論に基づいた漁業経営安定戦略の探求」。

  • 川村 慧Kei Kawamura

    岩手大学大学院総合科学研究科修士課程・地域創生専攻地域産業コース水産業革新プログラム在籍。岩手県出身。2021年岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース卒業。平成31年度公益社団法人日本水産学会春季大会、2020年度水産海洋学会研究発表大会にて研究を発表。現在の研究テーマは「三陸における漁獲漁業の可能性と水産業の課題―政策シミュレーションによる潜在的便益推定―」。水産経済・水産資源管理・水産政策を勉強中。

  • 木皿 祐雅Yuga Kisara

    岩手大学食料生産環境環境学科水産システム学コース4年。福島県出身、仙台育ち。魚屋の孫。縁あって水産学を学業とする。現在、日本の海洋気候変動における水産業への影響の事例研究・持続可能でレジリエンスのある漁業システム構築のための研究を行う。生物経済、統計学の他、水産制度、プログラミング(R・python)を修習中。また、海洋気候変動のメカニズムや海洋環境保全に興味を持つ。

  • 下山 奈津美Natsumi Shimoyama

    岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース在籍。宮城県出身。学生団体Shar_Eに所属し、インドネシア・バリ島にてガネーシャ教育大学の学生と協働しセミナーや植樹活動などの環境教育活動を行う。水産物の資源管理に興味を持ち、石村准教授の下、漁業経済学などを勉強中。

  • 中村 洸介Kohsuke Nakamura

    岩手大学大学院総合科学研究科修士課程・地域創生専攻地域産業コース水産業革新プログラム在籍。北海道函館市出身。父親が漁師で幼い頃より漁業に触れて育つ。平成31年度公益社団法人日本水産学会春季大会、2020年度水産海洋学会研究発表大会にて研究を発表。研究テーマは「ポートフォリオ漁業分析による漁業経営体の経営安定戦略・地域漁業の水産政策施策探求」。漁業経済・水産政策の他、プログラミング言語Rなどを勉強中。

  • 三橋 瑳絵Sae Mitsuhashi

    岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース2年。長野県出身。海なし県にて育ったが、幼少の頃の静岡での海釣りや磯遊びの経験、海へのあこがれから水産を学び、主に漁業資源管理に興味を持つ。2020年、上海海洋大学との合同プログラムにて札幌・函館・大船渡などで水産加工について学んだほか、プログラミング言語Rなどを勉強中。

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